S-EP（Social Empowerment）完全ガイド

副題: 参加の“量”ではなく、“反映の質とスピード”で測る力

対象読者: 共創・参加予算・市民協働の実務者、教育/金融/空間アクセシビリティ担当
TL;DR: 提案→試行→制度化のスループットで“力”を測る。多様性と再挑戦可能性も重要。

1. 定義

S-EPは、人々/組織が意思決定に影響を与えられる度合い。参加回数ではなく、採択率・リードタイム・制度化率など実効性を評価する。

2. 重要性（誤解の解消）

• 誤: 参加回数が多ければ良い。→ 正: 反映の質が低いと幻滅を生み逆効果。

3. コア指標セット（例・初期案 12〜15）

• 対話・協働の開催密度（人口当たり/多様性指数）
• 参加者の多様性（年齢・性別・職業・障がい・外国籍など）
• 提案の採択率とリードタイム（提案→実行日数）
• 試行（パイロット）数と制度化率
• 共同設計（co-design）比率／参加予算の実施と1人当たり配分
• デジタルアクセス指数（回線/端末/リテラシ）
• 金融アクセス（小口融資・地域基金・マイクロ補助到達率）
• 空間アクセス（公共空間・コワーキング・文化施設）
• 学び直し/スキル獲得の到達率・修了率
• 社会的モビリティ（出自と到達の相関の弱さ）
• 少数者のエンパワメント（意思決定参加率・管理職比率）
• 失敗の許容度（やり直し制度、破産後の再挑戦支援）

4. データ運用

• 頻度: 四半期〜年次
• ソース: 参加記録、政策ダッシュボード、教育・金融・施設ログ、市民調査

5. 算定

規模補正（人口・面積）を行い、量（開催回数等）だけでなく質（反映率・多様性・リードタイム）を同等以上に重み付けする。

6. 可視化

• スループット図（提案→制度化までの時間軸）
• 多様性レーダー（属性の広がり）

7. 実装チェックリスト

• 提案から実行までの因果線が可視化されている
• アクセス格差への具体策（端末貸与、育児/介護配慮 等）
• 失敗からの再挑戦ループが制度化

8. FAQ

Q. “多様性”はどう測る? A. カテゴリ多様度（Shannon等）と参加比の偏り度を併用。
Q. 参加予算の規模感は? A. 一律ではなく、制度化率や外部効果で評価し増減を判断。